2014/09/18
最近メタボリックシンドロームを頻繁に謳われるようになった反面、その反動ともいわれる「メガ!特盛り!」ブーム。これでもかとばかり重ねたハンバーガーや盛り付けた丼モノ。バブル不況から働く時間が惜しまれ、ファーストフードをよく摂取するようになった日本人の不況トンネルの出口は、肥満、糖尿病、高脂血症および高血圧などいわゆる「死の四重奏」を抱えたポッチャリ型人種に変わりつつあります(糖尿病は600万人~800万人(8人に1人)とも言われています)。
さらにテレビ番組では、人間離れした大食漢タレントを料理番組やお笑い番組に頻繁にからめて、短時間により多く食べ続け、「これ食う」「うめぇ」と叫ぶ!日本人の歴史が培ってきた食の「繊細さ」を蔑ろにされている気がしてなりません。
そもそもアングロサクソン人は比較的腸が短く、インスリンが多く放出される人種といわれ、高カロリーには順応しやすい体質です(それでもアメリカ人の肥満の多さは国家政策になっているほどです。どんだけ~!カロリー摂取しているのでしょうか?)。たとえたくさん食べたとしても日本人より遥かに大量かつ速やかに糖質分解にインスリンが放出され、短い腸管を通過し排泄される。しかしながら、元来農耕民族である日本人は、山の幸、海の幸と季節に応じた食材をからめた、穀物を主食とした世界的にみても特殊な民族です。時間をかけて消化する長い腸管を持ち、エネルギーを蓄える体質で、つまり「飢餓に強く、太りやすい」。この本来持っている体質に欧米型の高カロリーの食事は、肥満、ビタミンとミネラル不足をもたらし、エネルギーの燃焼効率を悪くして、不完全燃焼から酸化物質を増やしてしまいます。長い腸は大量の動物性脂肪に長時間暴露され癌化する確率が高まります。
参考:ビタミン外来とその実践;こもん会稲毛病院 佐藤 務先生 講演。
体質に合った日本食を基本とし、「日常食」と「非日常食」に分け、現代の素材自体に不足しがちな栄養素を把握し、サプリメントなどで補いながら健康な体づくりをしていく必要があります。世界が「日本食」に注目しているのですから・・・。
*先日、運動意識が高くアレルギー性鼻炎と高脂血症で通院の高齢患者さんに、細かく食事内容を伺ったところ、毎日三食に一食は必ずラーメンと餃子を食べているとの事。中国旅行の食事で「油」に自信がついてから食べ続けていると・・・。投薬開始以前に判明し長期内服を避けられました。これから脂肪酸のバランスをとることで鼻炎も改善を期待です。